第三列伝
三好 昌平
みよし しょうへい
『町中華迷宮案内』主宰
町中華・大衆酒場
大阪・神戸・京都
炒飯の湯気を追って、路地の奥へ。
第三の列伝に記すのは、「町中華迷宮案内」の三好昌平である。昭和四十年、大阪・十三の生まれ。商店街の路地に育ち、親父に連れられて入った中華食堂の、油の染みた丸椅子が原風景だという。配管工として働きながら、二十年にわたり関西の町中華と大衆酒場を歩き続けてきた。
三好の靴は、いつも底がすり減っている。踏破した店はおよそ千五百軒。彼のブログに載るのは、ガイドブックには決して載らない店ばかりである。注文はいつも同じ。炒飯、中華そば、瓶ビール。同じ注文を二十年続けたからこそ、店ごとの違いが見えてくるのだと言う。
真骨頂は、店が消えた後にある。閉店した店の記録を消さず、「閉店ノ章」として残し続けるのだ。先代の出身地、屋号の由来、常連だけが知っていた裏メニュー。失われた味の記憶を、彼は淡々と書き留めていく。「店は無うなっても、味の記憶は残したらええ」。
文体は軽妙な関西弁だが、侮ってはいけない。中華鍋の振り方ひとつで店主の修業先を言い当てる眼力は、長年の蓄積の賜物である。取材は必ず自腹、必ず一見の客として。暖簾をくぐり、勘定を払い、店主と二言三言交わして帰る。その繰り返しだけが、彼の取材のすべてだ。
休みの土曜は、昼の口開けに合わせて立ち飲み屋の暖簾をくぐる。大瓶を一本だけ、それが流儀である。儲けにもならんことを、ようやるなと言われることもあるらしい。本人は「好きでやってることや」と笑って、今日もまた、炒飯の湯気を追って路地の奥へ歩いていく。
- 屋号
- 『町中華迷宮案内』
- 得意ジャンル
- 町中華・大衆酒場
- 活動地域
- 大阪・神戸・京都
- 主な発信
- ブログ「町中華迷宮案内」/X(旧Twitter)
この食客の特徴
- 一、関西の町中華・大衆酒場を二十年、約千五百軒踏破
- 一、閉店した店の記録を残し続ける「閉店ノ章」を運営
- 一、必ず自腹・一見の客として訪れる流儀
- 一、炒飯・中華そば・瓶ビールを基準にした独自の定点観測
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